糖尿病内科

2型糖尿病

生活習慣による影響が強く、日本人に最も多いタイプの糖尿病です。加齢や遺伝的要因のほか、過食や運動不足、肥満、ストレスなどが要因となります。一般的に「糖尿病」と言うと、このタイプのことを示すことが多く、日本における糖尿病患者の90％以上を占めます。
糖尿病の診断にあたっては、血液検査や経口糖負荷試験などによる高血糖の確認、および症状、臨床所見、家族歴、体重歴などを参考にして医師が総合的に判断いたします。また、糖尿病は自覚症状が無いことが多く、患者様の病状を把握するためには血糖やHbA1cの値を定期的に検査していく必要があります。

その他の糖尿病

内分泌疾患、肝疾患、膵疾患、遺伝子疾患などの基礎疾患があり、その疾患が原因となって糖尿病を発症することがあります。膵臓の病気（膵癌や慢性膵炎など）が原因である場合、インスリン分泌が障害されて発症し、インスリン自己注射による治療が必要となるケースも多くあります。また、病気の治療に用いられる薬物の副作用も原因になり、副腎皮質ステロイド剤などが代表的です。このような糖尿病では、基礎疾患が改善したり、原因薬物が中止されたりすれば、多くは糖尿病の状態も安定していきます。

糖尿病の合併症

糖尿病は、きちんと血糖コントロールしないと様々な合併症を引き起こします。具体的には、三大合併症と言われる「糖尿病網膜症」、「糖尿病性神経障害」、「糖尿病性腎症」などがあります。このうち糖尿病網膜症は、目の内側にある網膜に問題が生じます。高血糖の状態が長い期間にわたって続くと、ここに張り巡らされた細い血管が動脈硬化による損傷を受け、血流が悪くなり、栄養と酸素が十分に供給されず、視力低下などが起こります。進行してしまうと出血や網膜剥離を引き起こしたり、時には失明に至ることもあります。

糖尿病性神経障害は、主に四肢の末梢神経が障害されます。症状の出方は様々ですが、手足の痺れ（異常感覚）、やけどや怪我の痛みに気づかない（感覚鈍麻）、といったケースがよく見られます。その他にも、下痢や便秘、立ちくらみ、勃起不全、動眼神経（眼球を動かす神経）麻痺、など多様な症状の原因となります。

糖尿病性腎症は、腎臓の糸球体という部分の毛細血管が傷害を受けることで発症します。初期は尿の中に蛋白が検出されるだけですが、進行すると腎機能は低下し、全身浮腫や高血圧症の増悪などの原因になります。やがて腎不全という状態に陥り、人工透析が必要となります。現在、人工透析導入となる原因の中で糖尿病が最多となっており、透析予防への取り組みが重要課題となっています。